広島市が2020年の招致を検討するヒロシマ五輪について、五輪招致関連を全額削除した10年度予算修正案を可決した同市議会に対し、秋葉忠利市長が地方自治法に基づいて再議権(拒否権)を行使したことに伴う臨時議会が、31日午後に開会した。約2600万円の予算を全額削除した修正案は、再可決に必要な出席議員の3分の2以上の賛成を得ることができず、否決された。一部会派は削減幅を部分的にとどめた再修正案を出す構えで、五輪招致関連予算が復活することになった。
臨時議会では、まず全額削除した修正案を審議。26日の本会議では、議長と退席議員を除いた53議員のうち28人の賛成で可決したが、3分の2には及ばなかった。臨時議会でも賛成票の上積みはできず、否決された。次に約2600万円の招致関連予算を盛り込んだ市の原案を再度審議するが、議会側は再修正案を出せる。原案も再修正案も過半数の賛成があれば可決する。一部の会派は、部分的減額とする再修正案を提出する方針。
ヒロシマ五輪を巡っては、保守系会派や公明党などが「市民の十分な理解がなく、財政面でも困難」という理由で原案に反対したが、秋葉市長は核兵器廃絶を訴える五輪の意義を強調して再議権を行使した。【矢追健介】
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